辻信一です。
昨日は午後、北海道浦河のべてるの家からのお客さんをカフェスローへ案内しました。ちょうど自然育児の会の集まりあり、また吉岡さんはじめカフェスローのスタッフにも紹介することができてよかったです。夜は、同じカフェスローで高尾山を守ろうというこれまたすてきなイベントがありました。ぼくも司会をやっていて、気持ちよかったです。参加者のほとんどが若者だということに、感動しました。
今日の午後は向谷地さんとべてるの家のメンバーたちがずらっと登場する「ピアサポ祭り」に行ってきました。依存症、摂食障害、DV,他さまざまな問題を抱える人たちの自助・ピアサポートのグループの集まりですが、その中で、べてるの「当事者研究」が大流行。そのべてるを迎えての今年の集まりということで、何か、みんなワクワクしている感じでした。
明日の月曜日の夜(朝は大学の卒業式、ぼくはまだ卒業できませんが・・・(^^;)、カフェスローにて「ナマクラmeetsべてる」という集まりをやります。ぼくは司会ですが、深津高子さんとともに、ナマクラを代表して、向谷地夫妻に話をうかがいたいと思います。おもしろい会にしたいので、ふるってご参加ください。
さて、昨日、ぼくの新著『幸せって、なんだっけ――「豊かさ」という幻想を超えて』(ソフトバンク新書)が出版されました。これは、ナマクラの皆さんと一緒にやってきた「GNH−−豊かさを問い直す」、というキャンペーンの中で、考えてきたこと、議論してきたことをぼくなりにまとめたものです。これができたのはナマクラのおかげだと思っています。どうもありがとう。
環境なんかに関心ないよ、とか、経済なんかわからないという人に、ぼくたちはどう話しかけたらいいのか、そういう世間の大部分の人たちとどうコミュニケートをとるか、という問題意識から書かれたものですが、同時に、それはこのぼくだって、別に環境運動やなんとか運動をやりたくてやってるわけじゃないんだ、じゃあそのぼくが今こんなことをやっているのはなぜなのか、何の意味がそこにあるのか、という関心にも背中を押されるように書いた、という感じがします。いままでの本と重なるところは少なくないのですが、この本ではほとんど環境のことが出てきていないのが特徴です。
ぜひ皆さんにもこの本を読んでいただき、今後のナマクラ内外での豊かさや幸せをめぐる議論に参加していただきたいと思います。本にも書きましたが、ぼくは最初、「幸せについて書くことになるなんて」、となんか落ちぶれた気がして、気分が重かったんですが、今では幸せについて考えるのは面白いなあ、と思えるようになりました。
皆さんに読んでいただきたいのはもちろんですが、ぜひ、この本を、むしろ、「環境どこじゃない」と思っている普通の方々に読んでもらいたい。その人たちにこの本が届くよう、ご協力願います。
辻信一
昨日は午後、北海道浦河のべてるの家からのお客さんをカフェスローへ案内しました。ちょうど自然育児の会の集まりあり、また吉岡さんはじめカフェスローのスタッフにも紹介することができてよかったです。夜は、同じカフェスローで高尾山を守ろうというこれまたすてきなイベントがありました。ぼくも司会をやっていて、気持ちよかったです。参加者のほとんどが若者だということに、感動しました。
今日の午後は向谷地さんとべてるの家のメンバーたちがずらっと登場する「ピアサポ祭り」に行ってきました。依存症、摂食障害、DV,他さまざまな問題を抱える人たちの自助・ピアサポートのグループの集まりですが、その中で、べてるの「当事者研究」が大流行。そのべてるを迎えての今年の集まりということで、何か、みんなワクワクしている感じでした。
明日の月曜日の夜(朝は大学の卒業式、ぼくはまだ卒業できませんが・・・(^^;)、カフェスローにて「ナマクラmeetsべてる」という集まりをやります。ぼくは司会ですが、深津高子さんとともに、ナマクラを代表して、向谷地夫妻に話をうかがいたいと思います。おもしろい会にしたいので、ふるってご参加ください。
さて、昨日、ぼくの新著『幸せって、なんだっけ――「豊かさ」という幻想を超えて』(ソフトバンク新書)が出版されました。これは、ナマクラの皆さんと一緒にやってきた「GNH−−豊かさを問い直す」、というキャンペーンの中で、考えてきたこと、議論してきたことをぼくなりにまとめたものです。これができたのはナマクラのおかげだと思っています。どうもありがとう。
環境なんかに関心ないよ、とか、経済なんかわからないという人に、ぼくたちはどう話しかけたらいいのか、そういう世間の大部分の人たちとどうコミュニケートをとるか、という問題意識から書かれたものですが、同時に、それはこのぼくだって、別に環境運動やなんとか運動をやりたくてやってるわけじゃないんだ、じゃあそのぼくが今こんなことをやっているのはなぜなのか、何の意味がそこにあるのか、という関心にも背中を押されるように書いた、という感じがします。いままでの本と重なるところは少なくないのですが、この本ではほとんど環境のことが出てきていないのが特徴です。
ぜひ皆さんにもこの本を読んでいただき、今後のナマクラ内外での豊かさや幸せをめぐる議論に参加していただきたいと思います。本にも書きましたが、ぼくは最初、「幸せについて書くことになるなんて」、となんか落ちぶれた気がして、気分が重かったんですが、今では幸せについて考えるのは面白いなあ、と思えるようになりました。
皆さんに読んでいただきたいのはもちろんですが、ぜひ、この本を、むしろ、「環境どこじゃない」と思っている普通の方々に読んでもらいたい。その人たちにこの本が届くよう、ご協力願います。
辻信一
セヴァンがまたやってきます。
4月に始まる「アースキャラバン」のリーダーとして、そのスタート地点に立つために。
詳しくはナマケモノ倶楽部のHPにて。
以下、11月に北海道に一緒に行ったときの報告(ビーパルから転載)です。
辻 信一
----------------------------------------------------------
≪世界はこんなに美しいんだもん≫
環境活動家として世界的に知られるセヴァン・スズキと晩秋の北海道を旅した。札幌から洞爺湖、さらに二風谷、浦河へ。行く先々で彼女は熱烈な歓迎を受けた。
まだ12歳だった1992年、ブラジルのリオで行われた「地球環境サミット」で、各国のリーダーたちを前にした6分間のスピーチによって世界中に感動を与えたセヴァンは、今27歳。この3年間、カナダの大学院で民族生態学を専攻し、最近修士論文を完成したばかりだ。
札幌の講演会では満場の聴衆を前に、リオのスピーチとそれ以後の自分の人生を振り返りながらこう語った。「おかしいな、と思ったんです。世界の未来を決める大切な会議に、その未来を生きることになる子どもたちが参加しないなんて」
自分たちの思いを世界に発信することはできた。でも、92年以降、世界各国の政府はリオの約束を忘れたかのようだった。これからは普通の市民が下から世界を変えていくしかない、と思うようになった・・・。
来年7月に「G8サミット」が行われる洞爺湖。色とりどりの落ち葉が夕日を受けて輝く水辺を歩きながら、セヴァンは言う。「地球温暖化という暗い未来を前に、なんで、そんなに明るく嬉しそうにしていられるのって、よく聞かれる。だって、ほら、世界はこんなに美しいんだもん」
昔から、沙流川の流れに寄り添うようにアイヌの人々が暮らしてきた二風谷。今では、川は巨大なダムに遮られ、湖が濁った水を湛えている。水没する農地の地権者としてこのダムに反対する裁判の原告だった貝澤耕一さん・美和子さん夫妻を訪ねた。
ふたりはダム完成後も、地元の植物とアイヌ文化との関わりを調べる地道な作業を続けている。これからの世代がその知恵を必要とする時代がきっと来る、と彼らは信じているのだ。これこそ本当の民族生態学、とセヴァンは大喜び。
浦河では、ユニークな精神障害者のコミュニティとして注目を集める「べてるの家」を訪ねた。「がんばらない」、「あきらめが肝心」、「弱さの情報公開」、「昇る人生から降りる人生に」、「偏見差別大歓迎」といった一連の合言葉に共通するのは、現代の主流社会の通念を逆さまにしたような引き算の発想だ。グループホームでは、「弱さを絆に」、お互いを支え合い、「安心してさぼれる職場づくり」を目指した末に、いくつかのヒット商品をもつ「スロービジネス」を生み出した。
職場や交流会での、患者ならぬ当事者たちのなんとも楽しげな様子に、セヴァンは興奮に上気した顔で、「なんていう豊かさ!」と呟いた。その横でぼくは、ブータン国王の言った「GNP(国民総生産)よりGNH(国民総幸福)」という言葉を思い出していた。
セヴァンは9歳の時のことを思い起こしていたかもしれない。アマゾン奥地への旅で彼女はこういう問いを抱え込んだのだった。テレビやコンピューターどころか、電気や水道さえない村人たちが、北米や日本の人々よりも、ずっと生き生きと楽しそうに生きているのはなぜだろう? 本当の豊かさって一体何?
北海道から戻ったセヴァンは東京での集会で、「世界のために私たちができることは?」という質問に答えてこう言った。
「私たちにできる一番すごいこと、それはこの世界を楽しむこと!」
4月に始まる「アースキャラバン」のリーダーとして、そのスタート地点に立つために。
詳しくはナマケモノ倶楽部のHPにて。
以下、11月に北海道に一緒に行ったときの報告(ビーパルから転載)です。
辻 信一
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≪世界はこんなに美しいんだもん≫
環境活動家として世界的に知られるセヴァン・スズキと晩秋の北海道を旅した。札幌から洞爺湖、さらに二風谷、浦河へ。行く先々で彼女は熱烈な歓迎を受けた。
まだ12歳だった1992年、ブラジルのリオで行われた「地球環境サミット」で、各国のリーダーたちを前にした6分間のスピーチによって世界中に感動を与えたセヴァンは、今27歳。この3年間、カナダの大学院で民族生態学を専攻し、最近修士論文を完成したばかりだ。
札幌の講演会では満場の聴衆を前に、リオのスピーチとそれ以後の自分の人生を振り返りながらこう語った。「おかしいな、と思ったんです。世界の未来を決める大切な会議に、その未来を生きることになる子どもたちが参加しないなんて」
自分たちの思いを世界に発信することはできた。でも、92年以降、世界各国の政府はリオの約束を忘れたかのようだった。これからは普通の市民が下から世界を変えていくしかない、と思うようになった・・・。
来年7月に「G8サミット」が行われる洞爺湖。色とりどりの落ち葉が夕日を受けて輝く水辺を歩きながら、セヴァンは言う。「地球温暖化という暗い未来を前に、なんで、そんなに明るく嬉しそうにしていられるのって、よく聞かれる。だって、ほら、世界はこんなに美しいんだもん」
昔から、沙流川の流れに寄り添うようにアイヌの人々が暮らしてきた二風谷。今では、川は巨大なダムに遮られ、湖が濁った水を湛えている。水没する農地の地権者としてこのダムに反対する裁判の原告だった貝澤耕一さん・美和子さん夫妻を訪ねた。
ふたりはダム完成後も、地元の植物とアイヌ文化との関わりを調べる地道な作業を続けている。これからの世代がその知恵を必要とする時代がきっと来る、と彼らは信じているのだ。これこそ本当の民族生態学、とセヴァンは大喜び。
浦河では、ユニークな精神障害者のコミュニティとして注目を集める「べてるの家」を訪ねた。「がんばらない」、「あきらめが肝心」、「弱さの情報公開」、「昇る人生から降りる人生に」、「偏見差別大歓迎」といった一連の合言葉に共通するのは、現代の主流社会の通念を逆さまにしたような引き算の発想だ。グループホームでは、「弱さを絆に」、お互いを支え合い、「安心してさぼれる職場づくり」を目指した末に、いくつかのヒット商品をもつ「スロービジネス」を生み出した。
職場や交流会での、患者ならぬ当事者たちのなんとも楽しげな様子に、セヴァンは興奮に上気した顔で、「なんていう豊かさ!」と呟いた。その横でぼくは、ブータン国王の言った「GNP(国民総生産)よりGNH(国民総幸福)」という言葉を思い出していた。
セヴァンは9歳の時のことを思い起こしていたかもしれない。アマゾン奥地への旅で彼女はこういう問いを抱え込んだのだった。テレビやコンピューターどころか、電気や水道さえない村人たちが、北米や日本の人々よりも、ずっと生き生きと楽しそうに生きているのはなぜだろう? 本当の豊かさって一体何?
北海道から戻ったセヴァンは東京での集会で、「世界のために私たちができることは?」という質問に答えてこう言った。
「私たちにできる一番すごいこと、それはこの世界を楽しむこと!」


